BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
目が合えば、今拾ったばかりのリボンを手から落としてうろたえる。
「お、お嬢様!?」
声を上げて驚く希璃人は、嵐と私を交互に見て。
「ちょ、ちょっと待って、頭が追いつかないんだけど」
両手を前に出して自分を落ち着かせようとしている姿に、今頃羞恥が襲ってくる。
希璃人はきっと、大きな勘違いをしている。
でもこんな場面を見られたら無理もないか……。
「ふたり、いつからそーゆーカンケー……」
「黙れよ」
いたたまれなくなったところで、私より先に口を開いた嵐。
苛立ったように希璃人の元へ行くと、リボンを奪い。
私に向かって歩いてくるから、また体に緊張が走ったとき──