BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
「……悪かった」
そう呟いて、私のスカートの上にリボンを落とした。
少しシワになったリボンを見つめれば、さっきの出来事がリアルになって。
ジワジワと戻ってくる熱。
「ってか、まずいだろ……っ!」
一体どうしたのか。
希璃人は急にスマホを取り出すと、今来たばかりの部屋を出ていく。
ひどい慌てよう。なにがあったんだろう……。
そんな姿を目で追って。
また嵐とふたりになってしまい、気まずさに襲われた。
嵐に会いに来たくせに、ふたりきりになって気まずいってなんなの。
自分のしてることが矛盾だらけでバカみたい。