BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
「凌士から連絡がきた。アンタが俺を探してるって」
そんな私の気まずさをよそに、ギギギ……と、軋む音とともに、向かいのソファに体を沈み込ませる嵐。
「なかなか来ねえから迷ってんだろうなって行ってみれば」
続きは言わずもがな。
吐き捨てるように言われ、返す言葉もなく。
「……ありがとう、助けてくれて」
消え入りそうなそうな声で告げたのは、真っ先に言わなければならなかったこと。
嵐が来てくれなかったら、私は今頃……。
考えただけで体が震えた。
嵐が私を真っ直ぐ射抜く。
「ここはオマエみたいなやつが来るとこじゃねえ」
責めるような瞳でさえも、綺麗だと思った。