BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
怖いけれど、決して柄が悪いわけではなく。
清潔感というものさえ感じられる。
その瞳に映りたいと願う、女子多数の気持ちが分かるような気がした。
さすが最大派閥の総長と言われるだけの人だ。
「おー、マジでいる」
そのとき、戻って来た希璃人と一緒に凌士も入ってきて、私を見るなり半笑いした。
希璃人が来て、凌士も現れた。ということは。
やっぱりここはBLUE ROSEのたまり場のようだ。
「今日は、ゼロ……さん、はいないんだね?」
「ああ、うん、そうだな」
希璃人は少し目を泳がせながら言った。
彼の素顔だけまだ知らないけれど、今日も会えないみたいだ。