BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
「それより、ひとりで来たの? ここ、マジで危ないから気をつけないと」
誘拐したくせにどの口が言うんだろうと思いながらも、未知の世界のことに興味はあり。
「色んな派閥があるんだってね。中でも、BLUE ROSEが一番強いって聞いたけど……」
そう訊ねれば、気を良くした希璃人が教えてくれた。
「そうそう。このほかに、RED STONE、YELLOW BUTTERFLY、BRACK JUPITERってチームがあって、やっぱりそのどれもに幹部がいんだよ」
「……みんな色がつくんだ」
「そ、理由はわかんねえけど、昔からそうだったみたい」
深く考えてなさそうな希璃人は、ダイブするように嵐の隣に腰掛けて、改めて問いただした。
「で、なにしに来たの?」
3人の目が私に集中して心臓がバクバクする。