BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー

……どうしよう。


言い訳を考えながらチラッと視線を泳がせれば。

あるものを見つけて、とっさに私は言っていた。


「ら、ラーメン……」

「……ラーメン……?」


怪訝そうな声で反芻する嵐。


「そ、そうっ、ラーメンが食べたくてここに来たの!!!」


ちょうど目線の先に、カップラーメンやお菓子が置かれてる棚を見つけたのだ。

不可解そうに、クッと眉をひそめる嵐を見ないようにして私は続ける。


「この間食べたラーメンがすごく美味しくて忘れられなくて……。またあなたたちのところに来たら食べられるんじゃないかって……っ」


我ながら、それっぽ言い訳が思いついたと思う。

さっきは分からないと言っておきながら、取ってつけたように理由を告げた私。


「……はあ……?」

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