BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー


希璃人と一緒に歩いていると、絡まれることはおろか、声を掛けられることもなかった。

むしろ、周りの人がさっと道を開けたり頭を下げたり。


希璃人も周りから一目置かれる存在らしい。


BLUE ROSEってそんなに権力があるの……?

横顔をそっと見上げれば、当の本人は涼しい顔して歩いている。


「じゃー気を付けてね、ばいばーい!」


渡り廊下の入り口まで送られて。


私は深く頭を下げると、特進科の校舎へ向かって一目散に走りだした。

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