BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
-8- 恋慕
「妃翠ちゃんお待たせ―」
私が教室で待っていると、パタパタと走ってくる麻美。
ダッシュしたから、麻美が来る前に無事教室に戻って来れたのだ。
「私もトイレに行って来たからちょっと遅くなっちゃってごめん~」と両手を合わせる麻美に、私はううんと首を振る。
「おつかれさま」
6限まで授業をがんばって、さらに委員会までこなして本当に偉いと思う。
それに、麻美の屈託のない笑顔は今の私にはすごく癒し。
そしてここが特進科であることも大きな要因だろう。
心臓がいくつあっても足りない情報科とここは大違いだ。
「それで、話って?」