BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
なんとなく言い出しづらそうな麻美に代わって、さりげなく話を切り出せば。
一瞬にして色づく頬。
麻美は色白だから、紅く染まったのは一目瞭然。
「あの……あの、ね……」
「うん?」
ピンと来た。
これはきっと、恋愛相談なんじゃない?
「えっと……その……」
指先を遊ばせながら、もじもじする姿は少女漫画の主人公よう。
そっか、麻美にも好きな人がいたんだ。
麻美は素敵な王子様に出会うのを夢見ていて、合コンのお誘いがあれば熱心に参加していた。
合コンに王子様が参加するだろうか……と思いつつも、そんなことは言えず。
いつも「王子様いなかったー」と残念そうに報告してきては、そうだろうねと納得する日々。
そんな麻美もようやく──