BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
これならいいでしょ?と目配せしてくる麻美に、仕方ないなあと苦笑いした。
「へえ。宝生さんの家、厳しそうだもんな」
ここで初めて大城くんにチラリと視線を注がれて。
「まあ……」
と、うなずいた。
「ずーっと遊びに行きたいって言ってたんだけど、妃翠パパの目が怖くてなかなか誘えなかったのね。そしたら今海外に行ってるらしくて、今がチャンスなの」
それにしても。
止めないとどんどんしゃべるな、この子。
「へえ。友達と遊ぶのも一苦労なんだ。それは大変」
「そうなのっ。ロミジュリかっての!」