BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー

「大城くんも麻美に気があるんじゃない? だっていつも話に交じってくるよね」

「それは妃翠ちゃんがいるからだよお」


拗ねたように唇を尖らせて見上げるその瞳には、多少の嫉妬が含まれているようで。


「ナイナイナイ。私と麻美なら、どう見たって麻美でしょ」


同性の私でさえこんなに可愛いと思うのだから、麻美と話せばその可愛さにやられる男子など数えきれないのでは。

大城くんだって男。例外じゃないはず。


「えー、そうかなあ」


体をくねくねさせる麻美は、決してぶりっ子なわけはなくて、純粋に大城くんを好きだという乙女心なのだろう。


好きって、どんな気持ち?
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