BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー

こんな風に頬を染めて、恥じらって、喜んで。


──緊張感しかなかった私と嵐の間とは大違いだ。



「おっと」


きゅっ、と足音を止める音とともに声がして。

つられてそっちを見れば、教室の入り口に大城くんが立っていた。


私もびっくりしたけれど、彼もとても驚いているよう。


それもそのはず、HRを終えてからもう1時間以上も経っているんだから、教室に人がいたらびっくりするのも分かる。


「えっ、大城くん!?」


けれど一番驚いているのは麻美だろう。

たった今、友人に好きだと打ち明けた渦中の人物が現れたのだから。

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