BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
分かりやすく動揺する麻美。
頬の色は、ほのかに染まる……なんて可愛いレベルじゃなくて熟れた林檎のよう。
「~~~~っ……」
助けを求めるように私の腕にすがってくる。
私は麻美にだけわかるように合図を送った。任せて、と。
「大城くん、こんな時間に何してるの?」
特進科の生徒は基本部活動を行っていないし、委員会でもないはず。
「うん、先生に分からないところを質問しに行ってたんだ」
さすが、大城くんらしい理由だ。
「勉強熱心だね」
さっきまで情報科の男子たちを見ていたせいか、大城くんがとてもまともに見えてしまう。
今まで、これが普通だと思っていたのに。