BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー

柳田というのは、私の運転手兼付き人。


かれこれ30年ほど宝生家に仕えていて、父からの信頼も絶大。


私になにかあれば、自分の首をはねてしまうのではないかと思うくらい父に忠実だ。


そんな柳田が、私をひとりで遊びに行かせてくれるわけがない。


「あ、大城くんなにそれ、可愛い!」


麻美が声を向けた矛先は、彼の長袖シャツの袖口から見えた絆創膏。


ゆるキャラで人気の、"ネコもん"のキャラクター絆創膏がつけられていたのだ。


彼がつけるには可愛すぎるそれに、私も興味が注がれた。


「ああ、これ昨日妹に貼られたんだよ」


「えー、大城くん妹いるんだ」

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