BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
-2- 自由
「妃翠ちゃん、今日は"宝生"っていう名前を出さないでいてくれたら助かる」
唐突に投げられた言葉に、私は一瞬面食らった。
放課後、学校の外で合流したのは、普通科の女の子3人。
ツケマで目がぱっちりな子。きれいに髪をまいた子。耳にピアスをたくさんつけた子と三者三様だ。
ツケマの子が麻美と知り合いらしく、今日のメンツの女子5人で先に合流したんだけれど。
「べつに、いいよ……」
私がそう答えると、
「ありがとうっ」
彼女たちは安心したように言って、両手を合わせてきた。