BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
3つの科は同じ敷地には建っているものの、科ごとに校舎も違い、生徒もシャツの色で分けられている。
特進科は白、普通科は黄、情報科は青。
「やっぱり白シャツいいなあ」
「黄色ってなんかねえ」
彼女たちは、私と麻美のシャツを指してうらやましそうに目を細めた。
「黄色も可愛いと思うけど……」
口から出たのは本音。
白は一番ベーシックだし、カラーシャツの方が着てて気分上がらない?
どうせなら、黄色が良かったんだけど。
「ほんとに? 宝生さんにそう言ってもらえるとなんか可愛く見えてきたから不思議っ!」
ピアスの子が、キャッとはしゃいだ。
本当に不思議。
私の一言に影響力なんてあるわけないのに。