BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
運動部にでも所属しているのだろうか。
こんがりと焼けた肌に、白い歯が良く目立つ爽やか系男子が私の隣にやって来た。
名前は……ごめん、わかんない。
好みじゃない甘ったるい香水の香りに、思わず顔をしかめた。
「なんだか、初めてカラオケに来たような顔してるから」
「あ……それは……」
うまい返しが出来ずにいると、肯定ととらえられてしまい。
「うっそ、まさか本当に初めて!?」
失敗した。
今時カラオケに来たこともないような女子高生、普通に引くよね。
ほんとにもう、帰りたい。
いたたまれなくなってうつむいた私とは逆に、彼の反応は好意的なものだった。
「へえ、そういうの嫌いじゃないよ。もしかして合コンも初めて?」