BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
この場はシンと静まり返り、各々楽しんでいたみんなも何ごとかと固まる。
やってしまった、と思った時には遅かった。
「……っ」
机の端を伝って、ポタポタと垂れる液体。
いたたまれなくなり、私はコップをつかむと逃げるように部屋を出た。
こんなとこ、来るんじゃなかった。
遊び慣れてない私が合コンなんて、ハードルが高すぎた。
私が普通を求めるなんて間違ってたんだ。
麻美には悪いことしたな。
これを飲んだら、先に帰るって言いに行こう。
そう思いながら、どぼどぼとメロンソーダを注いだ直後だった。
────私が誘拐されたのは。