BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
気配から、ここは人気のない場所だと感じる。
手錠でつながれたまま、しかもなにも見えずただ恐怖だけが体を支配する。
突然ひんやりした空気に覆われ、建物の中へ入ったのだと察した。
椅子に座らされ、男とつながれていた手錠は今度はその椅子とつながれる。
「外せ」
その言葉を合図に、アイマスクを外されて。
いきなり光を浴びて、目の奥がズキと痛んだ。思わずぎゅっと目をつむる。
そのあとゆっくり開けた視界に入ってきたのは、一面の灰色。
……ここは、どこ?