BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
打ちっぱなしの壁。
配管がむき出しの天井。
窓がないところを見ると、地下なのかもしれない。
空調は効いているようで、湿っぽさや暑苦しさは全くない。
テレビに冷蔵庫、テーブルや椅子もあり、ここで生活が出来そうな空間だ。
この部屋にいる男は全部で4人。
テーブルを囲むように3人の男が座り、私の後方に、ひとり。
全員黒い服にマスクに帽子。顔は分からない。
「腹減ったな」
のんきなことを言う男の帽子からは、赤い髪の毛がのぞいて見えた。
そして、さっき買って来たものなのだろうか。次々とビニール袋から中身を取り出し机の上に並べる。
他の男たちも同じ。
ポットにお湯を沸かし始めたり、並べられた品物を吟味したり。