BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
「はい」
疑うような目をした刑事に笑顔を見せて。
「柳田、ごめんなさい」
母と同じように血相変えている柳田にも頭を下げて謝った。
私の失踪がよほど堪えたのか、この数時間ですっかりやつれてしまったように見える。
「……っ。っ~~~っ……」
口を真一文字に結んでいて、開けたら今にも泣きだしてしまいそうだ。
いつも冷静沈着な柳田のこんな顔、見たことない。
本当にごめんなさい。
心の中で、もう一度謝る。
その後、刑事に色々質問されたけれど、なんとかうまくやり過ごした。