BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー

「ごめんね、せっかくの合コンだったのに」


両手を合わせて謝れば、


「いいのいいの。昨日のメンバーさあ、なんかみんな軽くて私的にはナシだったから!」


あっけらかんと、麻美。


「やっぱり、男の子って強くて優しい王子様みたいな人がいいなって思うの」


そして、男性の理想像を語り出す。


「でね、私、合コンはもう卒業しようと思って」


どういう心境の変化なんだろう。

そう言って肩をすくめる麻美は、いつもより可愛くみえた。


優しくて強い男か……。


──と、ぴったり当てはまる男に心当たりがありすぎて、少し動揺した。


思い出すのは、嵐の力強い瞳。

怖いのに、もう一度見つめられたくなるような中毒性のある、そんな瞳だった。


思い出すだけで怖く、だけど胸の奥が熱く疼くような。

人を引き付けて離さない、棘のある危険な花──




「昨日は楽しかった?」


< 70 / 134 >

この作品をシェア

pagetop