BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
「ごめんね、せっかくの合コンだったのに」
両手を合わせて謝れば、
「いいのいいの。昨日のメンバーさあ、なんかみんな軽くて私的にはナシだったから!」
あっけらかんと、麻美。
「やっぱり、男の子って強くて優しい王子様みたいな人がいいなって思うの」
そして、男性の理想像を語り出す。
「でね、私、合コンはもう卒業しようと思って」
どういう心境の変化なんだろう。
そう言って肩をすくめる麻美は、いつもより可愛くみえた。
優しくて強い男か……。
──と、ぴったり当てはまる男に心当たりがありすぎて、少し動揺した。
思い出すのは、嵐の力強い瞳。
怖いのに、もう一度見つめられたくなるような中毒性のある、そんな瞳だった。
思い出すだけで怖く、だけど胸の奥が熱く疼くような。
人を引き付けて離さない、棘のある危険な花──
「昨日は楽しかった?」