BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
「へー、何があったの?」
なのに好奇心旺盛な目で探りを入れてくる大城くんは、麻美が話したがっていることを見抜いているかのよう。
「それはっ……言えないっ!」
目をつむって首を左右に振る麻美。
話したい自分と闘っているらしい。
「ふーん、ますます知りたいなあ」
その目は今度、私に向けられた。
チラリ、と彼の腕に目をやれば、昨日貼られていたネコもんの絆創膏はもうついていなかった。
実は昨日。
"ゼロ"と呼ばれた彼の腕にも、ネコもんの絆創膏が貼られているのを見てしまったのだ。
ちょうど、大城くんの腕に貼られていたのと同じような位置に。
それに気づいた私は、あの場で動揺してしまった。
そのあとすぐに撤収になったから、それを問い詰めることは出来なかったけれど。
……大城くんて、もしかして……。