BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー

「妃翠ちゃんどしたー?」


目の前で手を振られて、はっと我に返る。


「いや、麻美ってばなんでも知ってるんだなあと思って……」


それは本当。

私と友達になってくれるくらいだから、そこまでこの高校に染まってないのかと思いきや。

しっかり慶南の生徒だった。


「へへへっ。それでね、なかでもBLUEROSEは一番権力が強くて、特に幹部メンバーの人気はすさまじいんだよ」


得意そうに笑った麻美は、さらなる情報を付け加えてくれたけれど。

総長である嵐の人気はこの人だかりを見ても分かるように、情報科や普通科の生徒たちからの人気も相当なものだろうと容易く想像できた。


「で、そのグループとやらは具体的に何をするの?」


地味に落ち込みそうになったけれど、気を取り直して。
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