BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
そんな麻美に興味津々な顔をして聞けば、嬉しそうに教えてくれる。
「情報科って色んな人がいるから、しょっちゅう問題が起こるんだって。
例えば個人のケンカだとしたら、そこの幹部同士が折り合いつけるとか。
時には派閥対派閥で派手なケンカもあるみたい。怖いねー、男子の世界って」
そう言って身震いする麻美。
情報科は思った以上に荒れているらしい。
けれど、嵐が率いるBLUE ROSEは、高校の中の派閥だけに留まらず、実はもっと裏で動いている組織なのではと思った。
だって、ただの高校の不良グループが、誘拐なんてしないでしょ──
ふと、妙な視線を感じると、
「ねえねえあの子、宝生さんじゃない?」
なぜか私が噂されていて、思わず顔を背けた。