BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
うちの父は、怖い人たちと繋がっているなど、黒い噂がある。
確証が持てる事柄があったわけでもなく、あくまでも噂。
宝生グループを妬んでいる人物が、ただ単に嘘をでっちあげているのか、それとも……。
「でね、相手は普通科の男の子なんだけど……」
麻美は、放課後の予定について話し始めた。
今日の遊びというのは、いわゆる合コンらしい。
麻美との初めての遊びは、駅前にクレープを食べに行くとかが良かったな、なんて思いながら相槌を打つ。
「いい人がいるといいねっ」
「そうだね」
その言葉ももちろん上辺だけ。
私は男に興味がない。
正確には、持っちゃいけない。
だって、私は自由に恋愛なんてできないんだから。