BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
-6- 侵入
「あー、今日も疲れたあ」
6限目の授業が終わり、ぐーっと手を上げて伸びをする麻美。
私も同感。
毎年特進科からは、最低でも毎年ひとりは東大へ輩出するのが使命のようで、去年は過去最大の5名を輩出した。
中でもこの1組は、最も優秀な生徒が集められているから先生の期待も高いのだ。
すなわち、自然と授業の難易度も上がり、金曜日ともなればみんな疲労困憊。
結局あの日、再び嵐の姿を見ることはなかった。
実は、授業が終わった後にも、情報科へ戻る嵐の姿を見に行きたいと思っていたのだけれど。
授業が終わるや否や「次体育だから早く着替えなきゃ!」と、麻美に更衣室に連れていかれてしまい。
後ろ髪をひかれる思いで断念した。