BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
「それから……」

「ん?」


妙にもじもじし始めた麻美が、こそっと耳打ちしてきた。


「妃翠ちゃんに折り入って話したいこともあるの!」

「折り入って……?」


麻美にしてはずいぶん深刻そうな顔。


「帰りに話すね!」

「うん、わかった」

「じゃー行ってくるねぇ」


すっかり明るい表情に変わった麻美を見送り、その手でスマホを取り出す。


「もしもし柳田?」


「はい、妃翠さま」


ワンコールしないうちに電話に出た柳田にため息が出そうになるけれど。


「今日、麻美と勉強していく。1時間半くらい」

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