やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
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「おはよう! もう昼だけどね」
一昨日の夜の、あのお別れが無かったかのように、明るく挨拶をするシドニー。
この愛想の良さは、本来の彼ではない。
クールなシドニー・ハイパーは自分から挨拶をしない男。
声をかけられて身内だと分かれば、初めて挨拶を返す。
……やはり、外面のいいモニカとの愛は、彼を変えた。
「今頃、起きたのか?」
「……モニカは何処です?」
「俺、ひとり。
モニカはノックスヒルに残されてる」
「……」
急いでドアを閉めようとした。
シドニー・ハイパーとは一昨日で終了したが、3年以上後輩として親しくしていた。
大学への通学を見越してムーアの祖父が紹介してくれて、高等学院卒業前に借りたこの部屋に、シドニーを招いたことはないし、部屋番号も教えたことはなかった。
ここ知ってたの?と、質問しそうになって、
ああモニカか、と納得した。
私が留守の時、シドニーはモニカに会いに、この部屋を出入りしていたんだ、と。
一昨日の夜の、あのお別れが無かったかのように、明るく挨拶をするシドニー。
この愛想の良さは、本来の彼ではない。
クールなシドニー・ハイパーは自分から挨拶をしない男。
声をかけられて身内だと分かれば、初めて挨拶を返す。
……やはり、外面のいいモニカとの愛は、彼を変えた。
「今頃、起きたのか?」
「……モニカは何処です?」
「俺、ひとり。
モニカはノックスヒルに残されてる」
「……」
急いでドアを閉めようとした。
シドニー・ハイパーとは一昨日で終了したが、3年以上後輩として親しくしていた。
大学への通学を見越してムーアの祖父が紹介してくれて、高等学院卒業前に借りたこの部屋に、シドニーを招いたことはないし、部屋番号も教えたことはなかった。
ここ知ってたの?と、質問しそうになって、
ああモニカか、と納得した。
私が留守の時、シドニーはモニカに会いに、この部屋を出入りしていたんだ、と。