やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
「領地お預けの軽い処分の提示を、俺の主とオーウェンが一生出ることを許されない王国最果ての精神病院に入れるように尽力してくれて。
 病院では若くて健康でおかしなモニカは医療の未来のために、開発途中の精神薬の治験や、実験的な治療法の臨床データ収集の協力をすると、同意書にサインさせられていた」

「……クレイトンはどうなったの?」

「最終的に爵位は返上、クレイトンは王領になった。
 王家としては誰かに褒賞として下賜したいが、誰だって辞退したいだろう。
 寄生するつもりが見誤っていた侯爵家はモニカと距離を取ってたけど、婿入りした次男は出奔して、無関係だと逃げ切れなくて、追われるように領地へ引っ込んだ」


 私を愛してくれているオルや家族や友人。
 彼等以外から見たら、これが最善の落としどころだったのだろう。
 フィリップスさんだって精一杯頑張ってくれた。

 いくら、貴族が斜陽階級と呼ばれていても……
 この国の法律は加害者であっても、未だに貴族を優遇する。
< 152 / 444 >

この作品をシェア

pagetop