やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

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 いつまでも部屋から戻ってこない私を心配して、オルの方からやって来た。
 そしてうずくまる私を見て、慌てて駆け寄ってきて、背中を擦ってくれる。

 パピーが小さな手で、ゆっくり背中を撫でてくれたのを思い出した。
 手の大きさは違っても、行動は同じね。


「大丈夫? 時間がないって、オーウェンは帰ったけど……
 気持ちが落ち着くまで、無理に動こうとしなくていいから」

「……オルだってバスローブのままじゃない……
 早く着替えたらいいのに。
 オトモダチの好意は素直に受け取るものよ。
 3日後のチケット用意したって、私の実家になんて行くわけないのに。
 貴方に頼っちゃって、ごめんね」

「……ディナ、俺は」

「リアンがこんな目に遭わされること、知ってた?
 さっき『まさか今日』と口を滑らせたでしょう?
 貴方がわざと教えなかった、と先走って決めつけるつもりはないの」


 感情はぐちゃぐちゃなまま、頭の何処かは冷えていた。
 ここはオルを責めるよりも、話を聞き出したかった。
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