やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
夕食が終わり、またぞろオルのことで胸がモヤモヤしだした頃、祖父から電話が来た。
開口一番に『料金はこちら持ちだから、長くなっても安心しろ、と先にペイジに言っておきなさい』と仰るので笑ってしまった。
「お前の友人はどんな女性だ?」
「嘘の無い笑顔が素敵で、人の言うことを素直に受け取り、かつ口が固いです」
「……もし、お前ならその友人を、どこに配置する?」
「特に希望は無いようですから、私ならシーズンズではなく、クリスタルのドアガールに」
「ドアガール?」
この年には、まだドアマンと同じ仕事をする女性は居なかった。
私が大学に入る頃に、ムーアとは別の百貨店で入口に立つドアレディが出現して、大いに話題になったのだ。
それを2年先取りしてやろうと思った。
ドアガールは絶対に評判になる。
「基本的にドアマンと同じ仕事内容で、制服も同じにします」
「女性に男の格好をさせるのか?」
件のドアレディはドレス姿で、華やかな容姿の女性を採用していた。
だが、それは所詮飽きられるのも早い。
私はドアガールを一過性の流行りものにしたくない。
開口一番に『料金はこちら持ちだから、長くなっても安心しろ、と先にペイジに言っておきなさい』と仰るので笑ってしまった。
「お前の友人はどんな女性だ?」
「嘘の無い笑顔が素敵で、人の言うことを素直に受け取り、かつ口が固いです」
「……もし、お前ならその友人を、どこに配置する?」
「特に希望は無いようですから、私ならシーズンズではなく、クリスタルのドアガールに」
「ドアガール?」
この年には、まだドアマンと同じ仕事をする女性は居なかった。
私が大学に入る頃に、ムーアとは別の百貨店で入口に立つドアレディが出現して、大いに話題になったのだ。
それを2年先取りしてやろうと思った。
ドアガールは絶対に評判になる。
「基本的にドアマンと同じ仕事内容で、制服も同じにします」
「女性に男の格好をさせるのか?」
件のドアレディはドレス姿で、華やかな容姿の女性を採用していた。
だが、それは所詮飽きられるのも早い。
私はドアガールを一過性の流行りものにしたくない。