やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
14
「俺の忘れ物だ」
「そうですか、どうぞ」
会話もあまりしたくないので、素直にハンカチを差し出した。
前回は自己紹介して、アピールしたような気がする。
だけど、今回は名前なんか絶対に言わない。
「名前は?」
そのまま席に戻ろうとしたら、また腕を掴まれた。
「最近、何度もその顔を見るな、君の名前は?」
周囲がざわざわし出したのに、先生は何も言わずに、にやにやしている。
この先生はこんな人じゃなかったような……
「授業始まるんだろ、早く言えよ」
王子様は偉そうだ。
自分が命じたら、何でも通ると思っている。
前回のシドニーは表面上だけでも、もう少しマシだった。
本当は言いたくないし、腕を振り払いたかったが。
なんとなく周りから『どうでもいいから早く言えよ』と、シドニーと同じ圧をかけられている様な気がして。
「キャンベルです」
「ファーストネームは?」
「(呼ばないくせに) お聞かせする程の大した名前ではありません」
「ふーん、キャンベルか」
それだけ言うと、パッと腕を放されたから、その勢いで身体のバランスが崩れて少しよろめいてしまった。
「トロいな」
「そうですか、どうぞ」
会話もあまりしたくないので、素直にハンカチを差し出した。
前回は自己紹介して、アピールしたような気がする。
だけど、今回は名前なんか絶対に言わない。
「名前は?」
そのまま席に戻ろうとしたら、また腕を掴まれた。
「最近、何度もその顔を見るな、君の名前は?」
周囲がざわざわし出したのに、先生は何も言わずに、にやにやしている。
この先生はこんな人じゃなかったような……
「授業始まるんだろ、早く言えよ」
王子様は偉そうだ。
自分が命じたら、何でも通ると思っている。
前回のシドニーは表面上だけでも、もう少しマシだった。
本当は言いたくないし、腕を振り払いたかったが。
なんとなく周りから『どうでもいいから早く言えよ』と、シドニーと同じ圧をかけられている様な気がして。
「キャンベルです」
「ファーストネームは?」
「(呼ばないくせに) お聞かせする程の大した名前ではありません」
「ふーん、キャンベルか」
それだけ言うと、パッと腕を放されたから、その勢いで身体のバランスが崩れて少しよろめいてしまった。
「トロいな」