やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
「貴女も参加するの?」

「ご挨拶だけしてきます。
 我が家に初めて来てくださったんですもの。
 そうだ、お母様もお顔出しして、ご挨拶に行きましょうよ」

「私もね、簡単に挨拶は受けたのよ?
 顔出しして、モニカは嫌がらないかしら?」

「嫌がったりしないと思う。
 居座る訳じゃないもの。
 どこのお家でも、娘のお客様にはお母様や妹さんは顔出しされるんじゃないかな?」


 私は誰の家にも招待されたことがないから、適当に言ってるだけだけれど、母はその言葉で行く気になったようだ。
 モニカの母親になりたい気持ちを利用して……ごめんなさい。


 母もムーアの子供だった。
 私と同じ様に育てられていたのなら、他のお家に遊びに行ったことなど無いから、信じたのだ。


 モニカは絶対に嫌がる。
 だけど、母と私を追い払えない。
 何をされても我慢しているヒロインだもの。

 これからどうするかは、具体的に決めていないけれど。
 モニカの友人達からしたら、私達は彼女を苛めて楽しんでいる母娘だもの。
 ちくちくするのも、いいわね?


 モニカはその偽りを、その匂わせを。

 母と友人達の前で貫くことが出来るだろうか?
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