やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

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 すっかり、モニカのお友達が母に懐いたのを見計らって、私は腰を上げた。
 ここが潮時だと思った。


 想像していたのとは違い、ご令嬢達が気にするのはモニカではなくて、ハント嬢なのだ。
 そして彼女はモニカの虚言を最初から見抜いていた。
 お父様が両親と親しい様なので、ノックスヒルの内情をご存じだったのだろう。


 このままこの場に留まっていたら、調子に乗りやすい私は余計な意地悪を言い、モニカを泣かせて、この和やかな雰囲気を台無しにしてしまうかもしれない。


 それに、今日は私にとって、モニカを苛めるよりも。
 もっと重要なことがある。
 オルくんの確認だ。



 私と母は、皆様に『ごゆっくりなさってね』と言い、席を立った。
 母はもう一度『モニカのことをこれからも、どうぞよろしくお願い致します』と頭を下げていた。

 ハント嬢には、これからも会いたいな。
 名前呼びを許してくださらないかな。



 ご令嬢方とのお菓子教室のことを考えて、うきうきしている母を見て思い付いたことがあり、それを母に伝えた。
 母は暫く考えていたが『先方が賛成してくれるなら』と言ってくれた。
 父の同意は、間違いなく得られるはずだ。


 そして私はモンドに孤児院へ送って貰った。
 帰りはいつもモニカを迎えに来てくれる時間でいいから、と伝えた。


 今日の私は手ぶらだ。
 ケーキはもちろん、クッキーも持参していない。
 何もない私を、彼等は受け入れてくれるだろうか?
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