やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 結果は……前ほどの歓声はなかったけれど、受け入れて貰えた。
 毎月慰問していたモニカが今日は来れなかったことで、子供達は寂しかったらしい。
 周囲を見回して、パピーに似た10歳くらいの男の子を探したが、見当たらない。


 先月、一番最初に声をかけてくれた女の子が、今日もまた最初に駆け寄ってきてくれた。


「お姉ちゃん、約束守ってくれてありがとー」

「あ、ケーキ美味しかった?」

 今回何も持ってこなかった私なのに、お礼を言ってくれる。
 幼いのに、きちんとした子だな、と思った。


「ケーキ美味しかったよ!
 でも、それより約束した通りに遊びに来てくれたから!」

「えー、こっちこそありがとう!
 貴女のお名前も教えてね?」


 顔を出しただけで、こんなに喜んでくれるなんて!
 案外、モニカも人気取りだけじゃなくて、皆に会いたくて毎月通っていたのかもしれない。


 少女はクララ・デイビスだと教えてくれた。
 すると、次々に周りの子供達も名前を教えてくれた。
 やはりオルシアナスなんていう変わった名前の子供は居ない。
 オルと呼ばれそうな名前の子供も居ない。
 先月、引き取られてしまったのだろうか……


 お世話役の女性か、あの日手当てを頼まれていたマーサと呼ばれていた少女に尋ねるのがいいのか。
 でも、そうなると多分モニカに筒抜けになってしまう。
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