やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

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 オルとはそのまま食堂で別れた。
 別れ際の突飛なオルの行動に、未だに理解が追い付かない。
 子供は怪談が好きだから、そういう類いの子供向けの本でも読んだのかな。

 ……吸血鬼なんて言って。
 咄嗟に返せなかったけれど、冗談だったら、笑ってあげれば良かったな。


 名残惜しいが、来月また会える。
 どうして噛みついたのかは、次回教えて貰うことにして。
 姑息な大人の私は、彼が魔法士になる迄に、嫌われない程度に徐々に徐々に刷り込んで……等と企んで。
 馬車に乗り込みながら、これでは、祖父と同じだ!と気付いた。


 サーラさんやクララ、ベンも見送ってくれて、(マーサ以外の)年長組の女の子達も手を振ってくれる。
『また、来月待ってるね』と言ってくれることが本当に嬉しい。
 来月はモニカに途中合流になるし、彼女には嫌がられるだろうけれど、必ず来ようと思った。

 次こそは、ベンと永年和平協定が結ばれますように。


 
 ノックスヒルに戻ると、母がおろおろしていた。
 私が出掛けると、暫くしてからモニカのランチ会は予定より早く終了となり、友人達を見送りもせず、彼女は部屋に籠っているのだと言う。

 招いた側なのに、我が儘過ぎる。
 嫌われてしまうぞ、どうでもいいけれど。
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