やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
「貴女以外は皆さん顔見知りなの?」
「別の職場だったらしくて、皆さん初めて顔を合わされたらしいの」
良かった、メリッサ以外は全員が知り合い、はちょっときついなと思った。
「私は重点的に訛りを直すことになる、って講師の方に言われたの。
ジェリーは、あまり東部の訛りが無いね?」
王都を中心にして、クレイトンは東に位置していて東部と呼ばれていて、メリッサの領は西部になり、彼女の発音は微かだが訛っていた。
「私は11歳まで王都に居たからなの」
「そうなんだ……意識しててもなかなか直せないから、ジェリーが羨ましいわ。
でも、完全には失くさずに、西部訛りで話されるお客様には2割使用してください、だって」
「2割?」
「お客様が喜んでいらした時と、困っていらっしゃる時は、西部訛りを発揮して、お気持ちに寄り添ってください、って」
そうか、訛音って、すごく重要だったんだ。
私の家族で東部訛りで話すのは父だけで、母も私もリアンも話さない。
その父も相手によって使い分けていた。
クレイトンで生まれ育ったモニカは東部訛りで話す。
もうそれだけでも、領民からは彼女の方が身近だったんだ。
私達は彼等の気持ちに寄り添えてなかった、ということ……
時戻しをした今回は。
改めて『私達に足りなかったもの』に気付かされることが、本当に多い。
「別の職場だったらしくて、皆さん初めて顔を合わされたらしいの」
良かった、メリッサ以外は全員が知り合い、はちょっときついなと思った。
「私は重点的に訛りを直すことになる、って講師の方に言われたの。
ジェリーは、あまり東部の訛りが無いね?」
王都を中心にして、クレイトンは東に位置していて東部と呼ばれていて、メリッサの領は西部になり、彼女の発音は微かだが訛っていた。
「私は11歳まで王都に居たからなの」
「そうなんだ……意識しててもなかなか直せないから、ジェリーが羨ましいわ。
でも、完全には失くさずに、西部訛りで話されるお客様には2割使用してください、だって」
「2割?」
「お客様が喜んでいらした時と、困っていらっしゃる時は、西部訛りを発揮して、お気持ちに寄り添ってください、って」
そうか、訛音って、すごく重要だったんだ。
私の家族で東部訛りで話すのは父だけで、母も私もリアンも話さない。
その父も相手によって使い分けていた。
クレイトンで生まれ育ったモニカは東部訛りで話す。
もうそれだけでも、領民からは彼女の方が身近だったんだ。
私達は彼等の気持ちに寄り添えてなかった、ということ……
時戻しをした今回は。
改めて『私達に足りなかったもの』に気付かされることが、本当に多い。