やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 「貧乏性が身に付いている娘だと答えておいた」


 電話料金を気にするのは、貧乏性?
 ……私のじぃじは、モニカ同様に匂わせるひとだった。



「直接サイモンに会ったのは、共犯かどうか確認しようとしてですか?
 もう侯爵と黒魔法士の繋がりが判明したんですか?」

「黒魔法士はグーテンダルクの庶子のヨエル・フラウだった。
 兄の毒殺か、ヒルデとの婚約か、どちらが先かは分からんがな。
 グーテンダルクから流れる金を山分けするために、黒魔法で当主を操っていたのかも知れん。
 この件はもうお前の手を離れているから、気にするな」


 そうピシャリと言われて、電話を切られた。
 グーテンダルクは死んだシドニーの婚約者の家だ。
 そこに魔法士が生まれていて、侯爵と手を結んでいた?

 お前の手を離れているから?
 はぁぁ? と言いたくなるが、祖父から撥ね付けられたら、もう関わってはいけないレベルになった、ということだ。
 全部が落ち着くまで、もう祖父からこの話は聞けないことは決定事項だ。
 モヤモヤするが、祖父は決めたら翻さない。

 私はおとなしく諦めた。
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