やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

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 先月と同じ時間にクレイトンに到着した。
 今回違うのは、車内で朝食も食べたし、3時間程仮眠が取れた。
 さぁ、オルに会いに行くぞ!と気合いを入れる。


 だけど夜にはモニカとの対決も待っていて。
 どんなに上手く話を持っていても、モニカは泣き叫ぶだろう。
 私が彼女にどんなきっかけで対決するのか、知っているのは母だけで。
 口止めしたのは私だけど、父がどう言うか分からないし、リアンやクリフォードも驚かせるだろうと思う。
 だけどここは心を鬼にして(モニカからしたら、私は自分に対して前から鬼になっていた、と言いたいだろうけれど)

 モニカに伝えるのだ。
 いい加減にして、あの伯爵夫人が使うべき部屋から出ていけ、と。



 モンドに荷馬車で孤児院まで送って貰う。
 先ず、ノックスヒルではなく孤児院に行くことは、母から了解を得ている。


「モニカお嬢様がそのままお帰りになるそうです」


 私と入れ違いに、孤児院から帰るということ?
 どれ程、私が嫌なんだ。
 面白い……今夜も部屋に閉じ籠るつもり?
 籠ったって追い出しにかかるわよ?
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