やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 モンドはそれを聞くと、大きな息を吐いて笑顔になった。

 私も気付く。
 モニカがモンドに匂わせを行わなかったはずはない。
 だけどそれが彼に通じなかったのは、エマが居たからなのね。
 うーん、年上の女性好き、凄い。
 ああいうあざとさには靡かないんだね。




 大変気分が良いまま、孤児院に到着した。
 入口にはモニカと腕を絡ませたマーサが立っていて、ふたり揃って私を睨んでいた。


「お久し振りね!モニカとマーサ!
 相変わらずベタベタと仲がいいわね?」

 ご機嫌な私が挑発するように言っても、モニカは何も言わないが。
 マーサの方は言い返してくる。


「何よ、あんたなんか……あたしが従妹なら良かったのに、って。
 いつもモニカ様は言ってるの!」

「そうなの?
 いつもってことは、月に1度の慰問の日かな?
 それ以外の日にも会ってるの? 何回言われたの?
 でも、現状では従妹にはなれないから、モニカの言うことは適当に聞き流してね?」
< 296 / 444 >

この作品をシェア

pagetop