やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

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 あからさまに人前で、モニカを罵った。
 侯爵が選んだ使用人をモニカに近付けず。
 食事も一緒に取らなかった。
 王都へも連れていかなかった。

 その癖、自分は寂れていく一方のクレイトンの営業に駆け回っていた。


 きっと侯爵はとっととモニカを片付けて、次の寄生先を見つけろとうるさかっただろう。
 だが、クレイトン女伯爵は女王陛下が推進する女性でも後継可能とした法案の。
 王家が若くて美しい彼女をその象徴としているのなら、簡単には離婚も処理も出来ない。
 サイモンはそれを建前に、愛の無い結婚生活を8年も続けた。


「モニカを冷遇しているように扱っていましたが、本当は守っていたんじゃないか、と。
 先輩は正義感だけはありましたから」



 それはサイモンの性格からだけで導きだした仮定ではない。
 クレイトン伯爵家に忠誠を誓うクリフォードとカルディナ夫妻。 
 ふたりの愛娘で、自らモニカのお世話役を申し出たエマ。
 そんな彼女にベタ惚れのモンド。


 全員使用人を入れ替えた、と聞かされたけれど。
 彼等がノックスヒルを素直に離れたとは信じられない。
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