やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
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現れたクリフォード夫妻に懸命に、母から命じられたとモニカは訴えるが、彼等は何とも返事をしなかったので、モニカは余計に興奮してきた。
「貴方達も知ってたの!」
「左様でございます。
ご夕食前に奥様から」
「叔父様が居ないのよ?
このひとの言うことを聞くつもり?」
「旦那様がお留守の時は、奥様がノックスヒルの主でございますから」
私はその場に居なかったが、母がクリフォードを呼んで、モニカに部屋を移って貰うと告げた時。
彼はただ、『畏まりました』と言ったそうだ。
「……いいわよ、それならそれで。
でも、私は叔父様から出ていけと言われるまで、あの部屋に居るから」
モニカは泣かなかった。
涙を見せても、庇ってくれる人が居ないからだ。
明日になれば、私は帰り、入れ違いで父は戻ってくる。
父なら、泣けば自分の言うことを聞く、と思っているのだろう。
だが、母さえこれを通してくれるなら、父はモニカではなく母を選ぶ。
立ち上がって、ナプキンをテーブルに叩き付け、わざとゆっくりダイニングルームを出ていくモニカは、健気なヒロインには程遠い。
その後ろ姿を見送って、母が私を見た。
「あんな、あの子初めて……
今までずっと隠して……やはり私から話すわ」
「貴方達も知ってたの!」
「左様でございます。
ご夕食前に奥様から」
「叔父様が居ないのよ?
このひとの言うことを聞くつもり?」
「旦那様がお留守の時は、奥様がノックスヒルの主でございますから」
私はその場に居なかったが、母がクリフォードを呼んで、モニカに部屋を移って貰うと告げた時。
彼はただ、『畏まりました』と言ったそうだ。
「……いいわよ、それならそれで。
でも、私は叔父様から出ていけと言われるまで、あの部屋に居るから」
モニカは泣かなかった。
涙を見せても、庇ってくれる人が居ないからだ。
明日になれば、私は帰り、入れ違いで父は戻ってくる。
父なら、泣けば自分の言うことを聞く、と思っているのだろう。
だが、母さえこれを通してくれるなら、父はモニカではなく母を選ぶ。
立ち上がって、ナプキンをテーブルに叩き付け、わざとゆっくりダイニングルームを出ていくモニカは、健気なヒロインには程遠い。
その後ろ姿を見送って、母が私を見た。
「あんな、あの子初めて……
今までずっと隠して……やはり私から話すわ」