やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

「伯母様と貴女は、母と私の命の恩人なの。
 貴女が訴えてくれた『あー、あー』は赤ちゃんのことよ。
 つまり、私。
 私を助けてくれて、本当にありがとうございました。
 貴女がいなければ、私はこの世に誕生出来なかった。
 貴女に偉そうにも出来なかったし、意地悪も言えなかった。
 心から感謝します、モニカ・キャンベル」

「……私が?」

「毎回、貴女が正解を出せなくても。
 誰も貴女をノックスヒルから追い出したりしません」

「……ずっと? ここに居ても?」

「お母様がね、貴女に謝りたい、って。
 伯母様のご実家がモニカを引き取りたいと言ってこられたのに、あの子をお任せ下さい、と言ったのは自分だった。
 この部屋の、伯母様の思い出を変えたくなかったのは自分だったのに、貴女のために譲るみたいに受け取らせてしまって。 
 貴女にも伯母様にも、申し訳ない、って。
 許さなくてもいいから、謝罪を聞いてあげてくれる?」

「だって、だって……私だって、叔母様に失礼なことを……
 私は何て? 何て言えば……
 皆に許して貰えるの?」

「あの、ごめんね?
 2回も始めから話すのアレかな、って。
 お母様とリアンを隣に呼んでるの。
 モニカの気持ち、聞いてたよ」
< 340 / 444 >

この作品をシェア

pagetop