やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

「アレが入ってくるまで、毎日が面白くなくて。
 小遣い稼ぎに悪い大人と仲良くなって、セドリックとも知り合いました。
 兄貴が邪魔だって言うから、作った毒を試しに使ってみる?って言ったら、喜んで。
 まぁ、こっちは臨床データが取れるし、軽い気持ちで売ったんです」


 軽い気持ちで毒を売った。
 試しで毒を飲ませた兄は2ヶ月寝込んで死んだ、と侯爵は喜んで報告したのか。
 狂人と殺人者が相棒になった瞬間だ。



「……その時、貴方はいくつだったんですか」

「12、13かな? 母が死んで、何もかもどうでも良くなってきてました。
 もうねぇ、普通の魔法なんてつまらなくて」

「侯爵のお兄さんの毒殺の前には、父親のギュンター・フラウを侯爵に紹介していますよね?
 次男のシドニーが義妹さんとの婚約中に、10歳で亡くなっていて。
 それまでにフラウ家は結構な額を支援していた、と聞いています」

< 374 / 444 >

この作品をシェア

pagetop