やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
「私が虐待したと疑われる、と言うことですか?
 でもパピーが証言してくれる」

「子供が虐待した親を庇って、自分の不注意で怪我をした、と言い張る事案は多いんです。
 いくら、この子が貴女じゃないと証言しても、病院へ連れて行ったのは貴女です。
 この子との関係について誤魔化しきれずに、全部聞き出される。
 せっかく貴女が50ルアでこの子を庇った盗みの件も、明らかにされる。
 貴女もそれをご存知だから避けたかったのでしょうけれど、犯罪を犯した子供は普通の孤児とは違う矯正施設へ送られる」

「……」

「幸いにも虐待の疑いが晴れたとしても、未成年の貴女は取り敢えず保護者が引き取りに来るまで、警察に留め置かれることになるでしょう。
 お父上以外に貴女を迎えにきてくれる人は居ますか?
 知人ぐらいでは駄目です。
 ご領地は確か、クレイトンでしたよね?
 良いところですよね、遠いけれど。
 王都からは6時間くらいかかるんだったかな」

「……」


 明日はモニカがシドニーと、侯爵ご夫妻と共にノックスヒルへ帰る日だ。
 警察から私の引き取りを連絡された父は、入れ違いで王都へ向かうだろう。


 駄目だ、今は父にクレイトンに留まっていて貰わないと。
 
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