やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 マーサやメリッサ、クララ。
 彼女達は皆愛されて求められて。
 今や私の心の支えは、フィリップスさんへの叶わぬ片想いに焦がれながらも、
『私はひとりで、思うように生きていくの』と宣言している従姉モニカの存在だ。


 私は24歳……
 後1年待って、25歳になっても。
 アレが会いに来てくれなかったら、どうしてくれようか……


 
 食後のお茶に多めの砂糖を入れて、マナーも無視してカチャカチャといつまでもかき混ぜている私を、フィリップスさんが眺めていた。


「貴方にも恋人がいたでしょう?」


 フィリップスさんには詳しく話さずに、ただ恋人がいるとだけ伝えていた。
 私の面倒を見てくれ、と頼んだ祖父の目的はそう言うものではない、と分かって貰いたかったからだ。




「かつて『たった1日でも、一生ものの恋に落ちることはあるかもしれない』と言った人が居るんですが。
 私の場合は3日間でした。
 金曜の夜から日曜の午後までの3日間。
 私にとっては一生ものの恋でしたが……」


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