やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 たった1日でも……、とオルに言ったのは前回のフィリップスさんだった。
 今回のこの方がどう思っているのかは不明だけれど、私の気持ちを分かってくれるような気がして。



 それを聞いて、今回のフィリップスさんは少し考えていた。
 もしかして、そんな短い間に燃え上がるから駄目なんですよ、とか言う……


「……僕は真剣な恋愛経験がないので、一生ものの恋については語れないんです、すみません。
 でも、3日間か……
 これは恋の話ではないですが、僕が3日というものについて常々考えていたことを、話してもいいですか?」

「……どうぞ」

「僕は3日あれば、ひとは復活すると思っているんです。
 悲しかったり辛かったり、いきなりの不幸に見舞われても。
 3日後には少し余裕が出来て、違うものの見方が出来る、みたいな」

「3日後、ですか……
 それは、今私が愚痴って落ち込んでいても、3日後には元気になるよ、みたいな?」

「こんなことしか、言えなくて申し訳なく思います。
 貴方の3日間の一生ものの恋についての答えにもなってなくて。
 僕は恋の相談相手には向いていません。
 お前はいくつだよ、って笑われそうですが」


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