やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 昨夜はもっと言えばよかった等、腹を立てていたが、その後のパピーが現れてからの展開に、あのふたりのことは頭から抜け落ちていた。

 今はとにかく、どうでもいい。
 あまりにもうるさかったら、受けて立ってやろうと思うが、あちらから何か起こさない限りは、無視無視だ。


 それよりも考えなくてはいけないことが、多過ぎる。
 頭の中でそれらに優先順位をつけながら、大急ぎで買い物をしてフラットに戻った。

 目覚めたパピーが、私が居なくて心細くて泣いていたらどうしようと焦っていた。
 電話とクリーニング、買い物で想定していたより長く留守をしてしまっていたからだ。


 鍵を回してドアをそっと開く。
 リビングのアーク灯は点いていない。
 パピーはまだ眠ってくれているのだろうか。

 キッチンに買ってきたオートミールの箱とミルクの瓶を置いてから、足音を忍ばせて、寝室のドアを開けた。

 カーテンを閉めたままの暗い中を、パピーを寝かせていたベッドに近付こうとして、ドレッシングルームの灯りが点いてることに気付いて、先にその中を覗いた。
 朝、慌てていたから消し忘れていたのかと思って。


 ビックリして腰が抜けた。
 人が立っていた。
 素っ裸の女!
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