やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
以前クレイトンのカントリーハウスに泊まったことがあるシドニーも私の両親に会っていたから、その人柄を知っているはずなのに。
シドニーは何も言わず、唇を噛んだ。
それで、今思い付くまま私が口に出した憶測が事実だと気付かされた。
クレイトンを継ぐのは本当はモニカなのに、叔父達がそれを盗んだ、とシドニーに話していたのだ、と。
憶測だったけれど、私がそれを口にしたのは、まだこちらに出ていなかった頃クレイトン領内の中等学校で、私は1度だけモニカの同級生と名乗る方から聞かれたことがあったから。
『貴女のお父様はモニカが成人するまでの中継ぎでしょう?』と。
その日、下校する時にモニカにそのことを告げると、彼女は私の手を握り。
「そんなひと、知らないわ。
わたしの友人ならそんなこと言ったりしない。
何も事情を知らないひとが面白がって余計なことをジェリーに言っても、気にしなくていいの。
絶対にこのことは叔父様や叔母様の耳には入れないでね」
その出来事を忘れていたのは、私がモニカの言葉を信じていたからだ。
シドニーの反応を見た今になって。
あの時も、モニカ本人が友人にそう話していたから、あんな風に言われたのだ、とおめでたい私も、やっと分かった。
シドニーは何も言わず、唇を噛んだ。
それで、今思い付くまま私が口に出した憶測が事実だと気付かされた。
クレイトンを継ぐのは本当はモニカなのに、叔父達がそれを盗んだ、とシドニーに話していたのだ、と。
憶測だったけれど、私がそれを口にしたのは、まだこちらに出ていなかった頃クレイトン領内の中等学校で、私は1度だけモニカの同級生と名乗る方から聞かれたことがあったから。
『貴女のお父様はモニカが成人するまでの中継ぎでしょう?』と。
その日、下校する時にモニカにそのことを告げると、彼女は私の手を握り。
「そんなひと、知らないわ。
わたしの友人ならそんなこと言ったりしない。
何も事情を知らないひとが面白がって余計なことをジェリーに言っても、気にしなくていいの。
絶対にこのことは叔父様や叔母様の耳には入れないでね」
その出来事を忘れていたのは、私がモニカの言葉を信じていたからだ。
シドニーの反応を見た今になって。
あの時も、モニカ本人が友人にそう話していたから、あんな風に言われたのだ、とおめでたい私も、やっと分かった。